国際編集文献学研究センター
編集文献学は、人文学研究の基盤となるテクストの編集に関わる学問です。それは、国別、分野別に細分化して従来発展していた狭義の文献学が、近年になって国や分野を越えて融合されるかたちで成立しているものです。その融合が生じた背景には、情報技術の飛躍的な進歩にともなう人文学資料基盤のドラスティックな変化があります。インターネットとコンピューターの普及は、人文学研究をめぐる環境に、グローバル化とデジタル化という2つの大きな潮流をもたらしました。そのなかで、研究基盤の構築をめぐる議論が、汎ヨーロッパ規模で現在さかんに展開されています。
本センターは、西洋におけるこうした重要な学術動向を包括的に理解し、編集文献学の日本への導入、普及をはかるとともに、グローバル化?デジタル化が進むこれからの時代の人文学研究基盤の再整備に向けて、国際的な議論も活発にかわしながら、理論的、実践的な提言を行うことを目的としています。
参考文献
テクストとは何か:編集文献学入門
明星聖子/納富信留編
慶應義塾大学出版会、2015
書物学 第17巻
[特集]編集文献学への誘い
勉誠出版、2019