「成城 学びの森」コミュニティー?カレッジ
講義内容
『遠野物語』を受講生の皆様とともに、丁寧にじっくり読んでみたい。明治の「百物語」を楽しみとし、まだ民俗学以前であった柳田國男は、ここに掲載されているような話のどこに興味を持ったのか。また遠野の人、佐々木喜善から聴き取ったというやや幻視?幻想を想わせる不思議な物語空間の何に共感し、『遠野物語』という不思議を形成していったのか。それらを解きほぐしてみたい。
<テキスト>
柳田國男著『遠野物語?山の人生』(岩波文庫)岩波書店 本体920円+税 ISBN-13: 978-4003313817
※テキストは各自でお買い求めいただき、講座時にご持参ください。
各回テーマ
(1) 『遠野物語』誕生の時代的背景を考える — 時代の何に柳田はコミットしたのか —
(2) 佐々木喜善?水野葉舟と柳田國男の出会い — 引き寄せる磁場 —
(3) 里の神(カクラサマ?ゴンゲサマ)と家の神(オクナイ?オシラ?ザシキワラシ)を巡る不思議
(4) 山の神?山男?山女周辺の動向の不思議 — それらを擁する社会構造のありかた —
(5) 家の盛衰とマヨイガ?ザシキワラシ — 前兆としての現象とそれを支えるイマジネーション —
(6) 遠野郷と『遠野物語』 — モノガタリ地理学として、場と語りのずれと相即のもたらすもの —
講師紹介
専攻:民俗学(常民文化論)/日本古典文学/「昔話の話素分析に基づく」社会文化論
民俗学的日本古典文学研究をスタートとし、民俗学(常民文化論)、文化人類学に向かう。
現在、中国雲南省の葬送儀礼にまつわる歌唱?儀礼構造研究に注力。あらゆる不思議に挑戦する。
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