「成城 学びの森」コミュニティー?カレッジ
講義内容
加藤周一は文学論の代表作「文学の擁護」で、英米型のフィクション中心主義を狭すぎると言い、ヨーロッパ大陸諸国と中国の、文体による散文の定義も、もはや通用しないと断じています。加藤は現代文学に何をもとめ、どのようにしてそれを得ようとしているのでしょうか。加藤の論じた作品や評論を紹介しながら、わたしたちの置かれた「状況」についても考えたい。「読む」ことが中心になる授業です。
<テキスト>加藤周一著『加藤周一セレクション1科学の方法と文学の擁護』平凡社1,260円(税込)
各回テーマ
(1) 東大仏文で学んだこと —文学概念の比較文化的考察
(2) 文学の擁護、その1「プルーストの1行」
(3) 文学の擁護、その2「金芝河とプルースト」
(4) 対ナチス抵抗文学を読む加藤周一
(5) 加藤とサルトル
(6) ヒューマニズムと人間学
講師紹介
専攻 : 20世紀のフランス文学?思想わたしがパリ大学に留学して勉強したのは、加藤周一が熱く論じたレジスタンス詩人の敵(かたき)役、対独協力作家です。いろいろ問題のあるサルトル『ユダヤ人』を、このカレッジで皆さんと読みました。ひと筋縄では行かないのが戦争と文学の関係。これに正面から取りくんだ加藤の文学論を通して、20世紀について考えてみましょう。
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