タイトル:大学教育における質保証の実質化と認証評価の活用
~甲南大学による認証評価に関する事例報告を中心に~
講 師:甲南大学 副学長:佐藤 泰弘 先生
甲南大学学長室 次長:林 正樹 氏
甲南大学学長室 課長補佐:大長 敬幸 氏
日 時:2021年5月18日(火)午後6時~7時30分
開催方法:Zoomによるオンライン開催
本学は認証評価機関である大学基準協会による認証評価を2022年度に受審することとなっており、それに向けて2019年度から毎年自己点検?評価を実施しております。
このたびは、2020年度に第3期認証評価を受審し、非常に高い評価を得られた甲南大学より副学長佐藤泰弘先生、学長室次長林正樹氏、課長補佐大長敬幸氏を講師にお迎えし、その経験を元に、内部質保証システムの実質化や認証評価の活用をテーマに、具体的な取り組みや実務的な作業についてご説明いただくセミナーを開催いたしました。
内部質保証システム構築の経緯と概要、第3期認証評価における甲南大学の評価、評価に向けて行った工夫点や、受審にあたって苦労された点や、「自己点検?評価報告書」作成のポイントを実際のPDCAサイクルシートを共有いただいただきながら、具体的な作業手順とともにご説明いただきました。
更に、2020年10月の実地調査は、鸿运国际_鸿运国际app_中国竞彩网重点推荐感染症の影響で、急遽オンラインで行われたとのことでしたが、その際の入念な準備についてもお伺いすることができました。また、受審してみての率直な所感や、その中で組織として得ることができたメリット等についてもお話をお伺いできました。
なお、「大学評価」結果においては、「教育課程?学習成果」「学生支援」および「社会連携?社会貢献」の3つの基準において、次の4つの取り組みが長所として取り上げられ、先駆性?独自性がある事項で有意な成果が見られるとの評価を受けました。
- アクティブ?ラーニング型授業を活性化するためにラーニング?アシスタント制度を導入し、支援体制の整備を積極的に行うことで、ラーニング?アシスタントを担う学生への教育効果と、支援を受ける学生の理解や学習へのモチベーションの向上を実現している。
- 学修ポートフォリオと教務システムを統合することより、「卒業認定?学位授与の方針」と対応関係にある各科目の「到達目標」の修得状況及び成績が「学修度」としてレーダーチャートで表示され、学生自らが学習成果を認識することに加えて、カリキュラムマップ、シラバス、各学生の成績情報等の情報を一元的に扱うことができるようになっている。学修ポートフォリオから伸長させたい学習成果(到達目標)を選択すると、これに対応する履修可能な科目(配当年次?単位未修得)が表示され、履修登録までワンストップで行うことができ、学生自身が学習成果を着実に身に付けていくうえで、有効なシステムである。
- 2015(平成 27)年度より導入した「KONAN サーティフィケイト制度」は、「人物教育の率先」という建学の理念に基づき、「KONAN ライブラリサーティフィケイト(書籍に関わる幅広い活動をとおして得た力を評価)」「KONAN グローバルサーティフィケイト(国際交流をとおしたグローバル人材としての力を評価)」「KONANボランティアサーティフィケイト(ボランティア?地域連携活動をとおした自発的な行動力を評価)」「KONAN スポーツサーティフィケイト(スポーツ活動を通して得た力を評価)」「KONAN ラーニングサポートサーティフィケイト(他学生への学びのサポートを率先する姿勢やサポート活動をとおして培った力を評価)」の5分野の活動の実績に応じた等級を評価?認定している。多くの学生が認定を目指して活動に取り組んでおり、学生が持つ能力の伸長を促す取組みとして機能している。
- 加古川市及び新聞社と連携し推進している「加古川『知』を結ぶプロジェクト」では、地域課題の解決に向けて学生が研究発表することを通じて、学生が議論をする力や広い視野を獲得している。また、新聞社と連携して推進している「関西湾岸SDGsチャレンジプロジェクト」でも、地域課題の解決のために学生が研究発表することを通じて、学生が課題発見力?調査力?チームマネージメント力等の力を獲得している。
本セミナーの当日の参加者は57名となり、活発な質疑応答が行われ、盛会の内に終了しました。