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2024.05.27
社会イノベーション学部の専門科目である「イノベーション?マネジメント実践演習」は、企業からイノベーションの現場の最前線で活躍している講師を招聘し、社会にある課題をイノベーションでどう解決するか、社会?経済へのインパクトをどう考えるか等をグループで考察するアクティブ?ラーニング型の授業です。テーマに沿った特別講義?グループワーク?プレゼンテーションという一連の流れを前半?後半で2回行います。
今年度の前半は、例年この授業に協力いただいている富士通株式会社による「自動運転技術を活用した新しい価値作り」というテーマでプロジェクトを実施しました。受講者は5、6人程度のグループに分かれ、課題設定から製品提案までグループで話し合ったり、富士通の社員さんからアドバイスをいただいたりしながらプロジェクトに取り組みました。
5月21日に行われた最終プレゼンテーションでは、それぞれ注目した課題やそれを解決するための提案を、先行事例との差別化や販売価格、実現するための体制などを含めて発表するグループが多くあり、単なるアイデアにとどまらない具体性のある提案になっていました。
例えばスーパーマーケットで利用するAIショッピングカートの提案では、複数の企業の協力体制によって製品を実現させるというビジョンを描いており、実社会でも注目されている「協業」を含めた内容を発表しました。また、農業の人手不足を、遠隔で操作できる農業機械によって解消するという提案をしたグループは、機械の導入で負担を減らすことは、農作業が楽になるというだけでなく、農業ツーリズムや後継者育成といった国内農業を継続していくための新しい施策に充てる時間や労力を増やすことにつながるという案を提示し、製品への直接的効果だけでなく、より広い問題の改善にもつながる視点を持った提案をしました。このほかにも、交通事故、鳥獣被害、在宅介護、屋外イベントでの熱中症、駅構内での道案内といった、多様な社会課題や学生自身の身近な不便さをもとにした新たな提案が各グループから発表されました。
各グループの発表のあとには質疑応答の時間があり、提案内容の課題を指摘する鋭い質問とともに、提案をよりよいものにするための改善案が学生から次々とあがり、仲間と共に議論を深めていく姿が印象的でした。
6月からは後半の授業が開始され、受講者たちは新たな課題に取り組みます。