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2024.11.19
社会イノベーション学部 新垣紀子教授による「ヒューマンインターフェイス論」では、三菱電機株式会社統合デザイン研究所の城戸恵美子氏を講師としてお招きし、10月16日と11月13日の2回にわたって、インターフェイスの設計と評価?改善を体験する演習を行いました。
城戸氏は三菱電機株式会社統合デザイン研究所でエレベーターや家電製品等のユーザビリティ評価?ユニバーサルデザイン開発に携われていますが,社会人学生として本学大学院社会イノベーション研究科博士後期課程を修了し博士号を取得された修了生でもあります。
第1回目の講義では、「インターフェイスをデザインしてみよう」と題し、はじめにインターフェイスデザインとはどんなものであるか、また、10個のユーザビリティ原則について具体例を示しながら説明いただきました。
講義後半では、事前授業で学生より提案があった「鸿运国际_鸿运国际app_中国竞彩网重点推荐移転100周年記念イベントのアプリ「SEIJO WALK」」のインターフェイスをデザインするという演習課題が出されました。「SEIJO WALK」は、成城のおすすめスポットを巡るスタンプラリーで使用するアプリで、参加者はアプリ内に表示されるマップを見ながらスタンプの場所を確認し、QRコードを読み込んでスタンプを獲得します。スタンプを10個貯めると提携している店舗のクーポン券がダウンロードできるようにします。学生たちは利用状況や制約条件を整理しながら、アプリの操作フローや画面デザインを検討し、パワーポイントでプロトタイプの作成に挑戦。時折悩む様子がみられながらも、学生同士や先生と意見を交わしながら課題に取り組みました。
第2回目の講義テーマは「インターフェイスを評価してみよう」。各自が考えたアプリのプロトタイプについて、評価演習、分析演習、改善案の作成を行いました。
評価演習では、3人ずつのグループになり交代でユーザーテストを実施しました。進行係(設計者)が作ったパワーポイントを表示し、被験者には思ったことを発話しながら操作してもらい、終了後に感想を聞きます。城戸氏からは、被験者の言葉や表情、操作行動をよく観察するようアドバイスがありました。
続いて分析演習では、ユーザーテストで分かった問題点について分析レポートを作成。ユーザビリティ原則に違反している点や、想定要因を考え、改善案を検討しました。
最後に、代表して学生2名が設計したデザインのポイントと、ユーザーテストで分かった問題点について発表しました。発表では「初めて使用する人でも分かりやすいように、情報量を多くした。成城カラーを使用した」等のポイントや、「マップ上で、あとどれくらいで目的地に着くのか分かりにくかった」「画面の誘導が足りなかった」等の問題点に対する気づきが挙げられました。城戸氏は「操作フローがしっかりしていて、確実に作ることができている」「QRコードがどこにあるかわかりやすいようにデザインの工夫がされていた」とコメントしました。
講義を終えて、城戸氏は「ヒューマンインターフェイスにおいて、設計者はユーザーをよく理解することが重要。自分の意図が他の人に伝わっているかを確かめるためにも、ユーザーテストが必要」「インターフェイスデザインは創造的活動です。講義で身につけた知見をぜひ社会へ活かしていってください。」と話し、新垣先生も「実際に自分で作ってみて、他の人がどう感じるかを体感し改善する経験はとても貴重です。他人に分かりやすく説明する力や、アイデアの出し方次第でサービスの向上にも繋がります。今回の経験を様々な場面で活かしてください」と話しました。