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2022.01.20
2021年12月19日(日)に開催された「第6回アカウンティングコンペティション」で、上田晋一ゼミナール(会計学)の2チームが表彰を受けました。
このコンペは、全国の会計系ゼミがチーム単位で日頃の研究成果を競い合う大会です。専門家からなる多数の審査員が、先行研究、研究プロセス、独創性、プレゼン、質疑応答を総合的に審査します。今回の大会には、25大学、31ゼミナール、過去最多の計68チームのエントリーがあり、コロナ禍のためZoomによる遠隔方式でしたが、対面方式と変わらぬ緊張感のもとで開催されました。
上田ゼミからは2チームが「学術的研究分野」(計34チーム)にエントリーし、それぞれ「人的資本の情報開示」および「日本企業の気候関連情報開示の課題」と題する研究発表を行いました。大会当日は、万が一の通信トラブルを回避するため、自宅から接続する者と本学の教室から接続する者とに分かれて臨みました。
両チームとも予選ブロックを勝ち抜き、5チームのみで競う決勝へ進むことができました。残念ながら第4回大会時に獲得した優秀賞を超えることはできませんでしたが、「ブロック優勝」として「楯」とAmazonギフト券2万円分が授与されました。
上田ゼミ Team Ray(3年生を中心とするチーム)
研究テーマ:人的資本の情報開示 — 人的資本の要素と非財務価値との関連性
ESG投資の高まり、ダイバーシティの促進、従業員エンゲージメントの向上などの観点から注目が集まる企業の人的資本の開示を取り上げた研究です。国内外の企業事例の分析を踏まえ、人的な要素を含む複数の指標が企業価値とどの程度の関連性を有するのかを統計的に検証しています。その結果、人的KPIの達成目標や人的投資情報のさらなる開示が課題となることを指摘しています。
上田ゼミ Team 航(4年生を中心とするチーム)
研究テーマ:日本企業の気候関連情報開示の課題
Team航は2年連続の参加となります。気候関連情報の開示はこの1年間で急速に進んだため、今回の研究発表では、前回の発表時にはまだ事例が少なかった「シナリオ分析」に焦点を当てて検討しています。国際的な動向を丁寧にレビューしたうえで、日本企業の統合報告書を調査し、シナリオ分析を実施した企業の特性を統計的および事例的に探っています。
上田教授からの講評
見学者として発表をみていました。学術的な内容を分かりやすく工夫してプレゼンテーションできたことはとても良かったと思います。十分に練習して臨んだことがわかります。
一方で、決勝の質疑では応答に詰まる場面が多々みられるなど大きな課題も残りました。場慣れしていないことによる緊張、メンバー間の連係の拙さ、分担作業の弊害、本質的な部分の理解の浅さなど、発表後には学生自身の口からいくつもの反省点が聞かれました。
外で研究発表することの大きな利点は、普段のゼミでは得られない「気づき」を得られることにあると思います。なまじ上手くいくよりも、至らぬ点を実感できたことが貴重な経験です。ぜひ今後に活かして欲しいと願っています。
アカウンティングコンペティション(準備委員会委員長:日本大学商学部 川野克典教授)
http://accocom.com/
協賛:PwCあらた有限責任監査法人、有限責任あずさ監査法人
後援:Ascent Business Consulting、有限責任監査法人トーマツ、EY新日本有限責任監査法人、太陽有限責任監査法人、日本公認会計士協会、株式会社東京証券取引所(日本取引所グループ)、株式会社プロネクサス、株式会社ディーバ、一般社団法人日本CFO協会、日本商工会議所、学校法人大原学園、株式会社中央経済社