國寳 真美 准教授「身体表現?スタディーズⅣ」
「講義」と「実技」の融合により、異文化への理解がより深まる!
氏 名 :國寳 真美(こくほう まみ)
所 属 :社会イノベーション学部
職 名 :准教授
専門分野:スポーツ人類学、舞踊人類学
対象者 :全1~4年生
授業形態 :講義?演習
単位数 :2単位
曜日?時限:金曜日?3時限
履修者数 :10名
【特に活用しているツール】
?WebClass
【授業運営のキーワード】
?講義&実技
?グループ発表
【授業時間外の学習】
次の授業までに配布資料を読み返し,授業内容を復習しておくこと。グループ発表の際は文献およびインターネットで情報収集し準備を行うこと。
想定学修時間:1回の授業につき4時間程度。
【成績評価の基準と方法】
平常点60%?小レポート20%?定期試験に代わるレポート20%
授業内容(シラバスより抜粋)
本授業では様々な舞踊を学ぶことで、異文化の身体表現を理解すること、そしてその背景にある文化や価値観を理解することを目的とする。また実際にそれらを実技で体験することで、自分の身体の可能性を考え、日常の表現力やコミュニケーション力を広げていくことを期待する。
スポーツ(本授業では舞踊)の講義と実技を融合させたこの授業形式は、スポーツ?ウエルネス教育科目の講義?演習科目の大きな特徴である。
到達目標
舞踊の多様性を知るとともにその背景にある文化や価値観について理解し説明することができる。グループ活動?発表を通じて、舞踊に対して自身で課題を探し積極的に取り組み、それらを共有しあうことができる。
取材までの経緯
國寳先生の担当する「身体表現?スタディーズⅣ」は、授業改善アンケートの結果をもとに決定する「鸿运国际_鸿运国际app_中国竞彩网重点推荐ベストティーチャー賞」を受賞した科目の一つである(2023年度小規模部門1において受賞)。授業カタログの取材を行うにあたり、前期開講科目である本授業はすでに終了していたため、前期に受講していた学生に声をかけ、本授業を再現して取材することとなった。
取材当日の様子(12月6日)
再現してもらったのは、さまざまな種類の舞踊を経験してきた國寳先生が、その中でも一番の専門だという、インドネシア?バリ島の舞踊(バリ舞踊)の体験実技授業である。学生にとっても印象深い授業だったようで、みんなすぐに思い出し、当時の授業を再現してくれた。バリ舞踊の練習で用いるサロンという布を腰に巻くことで、学生たちのバリ舞踊への興味関心がより高まっていたように見受けられた。
本授業は講義と実技を融合させた科目であるため、実技授業の一つ前の授業には、その舞踊についての歴史や、どのような国?文化の中で踊られている舞踊なのか、等を学んでいるのだという。その際にはもちろんプロのダンサーたちが踊る映像も鑑賞している。バリ舞踊の場合は、まずインドネシアという国について、その中でもバリ島はどういう場所なのかを知るところから始まり、バリの人々にとって舞踊がとても身近な存在であることや、舞踊と宗教の関係性についても学んだそうだ。このように講義と実技をセットにして舞踊を学ぶことについて、國寳先生曰く「講義で学び、映像を見ただけでも十分学びになるが、自分の身体で体験して初めて分かることもある。プロのダンサーたちの映像を見ていると、さも簡単そうに見える踊りも、実際に踊ってみると、全くそうでない。どの部分の筋肉を使っているのか、自分の普段の動きとどう違うのか、今まで経験してきた踊りとどう違うのか、より理解できるようになる」のだという。
取材を行って
まず、最初に驚かされたのは、授業終了後、かなりの月日が経過しているにもかかわらず、再会した学生の気心が知れており、また、國寳先生との距離が近いということだ。まるで先週まで授業があったかのような雰囲気さえ漂っており、授業内でのコミュニケーションが円滑であったことが一目瞭然であった。この光景は、國寳先生曰く「一緒に踊ると自然と心の距離が近くなる、これも舞踊の魅力の一つ」なのだそうだ。
リアクションペーパーの例(第2 回身体で表現すること、舞踊とは何か)
授業内容:舞踊は定義の困難な行為である(音楽に乗って身体を動かしていれば鸿运国际_鸿运国际app_中国竞彩网重点推荐舞踊と言えるのか等)。それをふまえ、これまでの研究者が舞踊をどのように捉えてきたのかを紹介、解説する講義授業である。
リアクションペーパー:「今日の内容をふまえ、改めて舞踊、踊る、という行為を自分の言葉で説明してください。」
→目的意識をもって授業に参加する仕組みができている。
教員インタビュー(Q&A)
Q.授業準備のポイントを教えてください。
A. 舞踊について講義や映像を通して学ぶとともに、実技でも学ぶというのがポイントです。様々な国の舞踊を自分の身体で体験し、身体の使い方、表現方法の違いを感じることで、さらに理解を深めていってほしいと思っています。
Q. 授業準備の詳細を教えてください。
A. ? 投影用資料、映像の準備
? 前回の授業での質問に関する回答やその質問にまつわる資料の準備
? 学生の発表の後には、他の学生からのコメントをWebClass にアップし、発表した学生が見られるようにしています。
Q. 授業での学生との関わり方について教えてください。
A. 教員から学生への積極的な関わりというよりも、まずは学生同士がコミュニケーションをとり親しくなる機会を作るようにしています。学生同士が親しくなることで授業全体に活気が生まれ、教員からの問いかけにも自然に反応してくれるなど、授業中に気軽に質問、発言できる空間が作れていると思います。第3 回で取り入れているフォークダンスの実技はまさに学生同士が親しくなる機会となっています。
Q. 学生への期待を教えてください。
A. 舞踊の魅力は見て楽しい、踊って楽しいだけではありません。振付、音楽、衣装、等様々なところに、その舞踊が生まれ継承されてきた国や地域の文化が色濃く反映されており、異文化を知るきっかけにもなります。それらを学び、今までの自分の接してきた文化との違いを知ることで、多様性を受け入れ理解する想像力を育んでいってほしいと思います。
学生インタビュー(Q&A)
Q. 印象に残っている授業内容はありますか?
A. バリ舞踊は、この授業で学ぶ以前にはどのようなものか全く想像がつかなかったため、とても印象に残っている。実技では、個々に丁寧にご指導いただき、初めての舞踊であったが、自分の思い描く身体表現ができた。
A. 3回目の授業で行った、フォークダンスの実技。手をつなぎ一緒に踊るというコミュニケーションにより、クラスが一つにまとまり、学年が違っても距離がぐっと縮まった。
Q. この授業のよいところはどんなところですか?
A. 少人数ということもあり、授業がいつもアットホームな雰囲気のところ。先生がどんな些細な問いかけにも的確なアドバイスをくださる点。
A. チームワークがよい。また、受講生の提案をいつも先生が受け入れてくれるところ。グループ発表では、私達が調べ発表した舞踊(K-POP ダンス)をクラスのみんなで踊ってみるなど、とにかく一体感があった。
インタビューは4名の学生さんに回答いただきました。